DSPS教育者会議は、ディジタル信号処理教育の取り組み、教育事例に加え、大学での新技術研究の発表やデモ発表、
デベロッパー・ネットワークによる開発ツール、評価ボードの紹介、意見交換の場として毎年 1 回開催されています。
今年も昨年同様、デモ発表の中から優秀デモ発表を 3 件選び、共催の IEEE Circuits and Systems Society Japan Chapter、
IEEE Signal Processing Society Japan Chapter 及び、後援の日本テキサス・インスツルメンツ(株)の各賞として表彰を予定しています。
ディジタル信号処理理論/技術が通信、制御、計測、メディア工学などの基盤をなす理論/技術であることから、これら分野に関わる大学、高専の学科では「ディジタル信号処理」をカリキュラムに導入しています。しかしながら、ディジタル信号処理論/技術を基盤とする分野においてもその価値観は多様で、例えば、処理・解析精度を重視する分野があったり、処理の高速性を重視する分野があったりします。価値観が多様であり、かつ、高度化する理論や複合化された技術を理解し、使いこなせる若い人材の育成も重要な課題となっています。
このような背景から、本会議は、ディジタル信号処理教育に携わる方々に、特色のある教育事例を「教育セッション」において、大学の研究室で行っている信号処理に関わる研究事例を主に学生諸君に「応用セッション」において、それぞれ発表して頂き、ディジタル信号処理教育・研究の原点・方向性・可能性について組織を超えて広く意見交換を行って参りました。また、本会議では、広義な意味で、ディジタル信号処理の教育または研究を先導してきている方々に「特別招待講演」をお願いし、さらに、ディジタル信号理論/技術を基盤にし、DSPやFPGAによって実現した各種システム事例を「ポスター・デモ」で発表して頂いております。「ポスター・デモ」は本年が3回目となりますが、過去2回と同様にコンテスト形式で開催し、優秀な発表を表彰することに致します。「教育セッション」、「研究セッション」、「ポスター・デモ」ともに発表を公募致しますので、多くの方々の応募をお待ちしております。
本年の「特別招待講演」は元東京大学教授の原島博先生と、千葉工業大学・未来ロボット技術研究センター所長の古田貴之先生に御講演をお願い致します。両先生ともに、工学を超えた分野においても高い知名度を持ち、講演会等に引っ張りだこであることは皆の知るところです。
原島先生は、「コミュニケーション工学」、「顔学」等における研究の第一人者でありますが、教育に関しても並々ならぬ情熱を持っています。今回は、小学校でないがしろにされてきている図工教育を題材に講演して頂きます。「ものづくり」が日本の発展を支えてきたことを考えると、今後の我が国の持続的発展のためにも、「ものづくり」を志向する子供を数多く育てることが不可欠であり、その原点が図工教育に他なりません。
古田先生は―ロボット界の異才―とも呼ばれています。ロボットは機械要素、電子・電気・情報要素、制御要素等を結集した総合システム的色彩を持っています。古田先生には、ロボット解体・製作を通じたエンジニア志願者掘り起こしを目的とした高校での模擬授業等について紹介して頂けます。原島先生と同様に明日を担う人材育成を見据えた教育活動の紹介です。
本会議は本年で11年目を迎えますが、昨今は、企業からの参加者も増えてまいりました。会議名称に「教育者」が含まれていますが、名称に囚われることなく、広くディジタル信号処理に携わっている方々が一堂に会し、―ディジタル信号処理教育・研究に対して熱く討論を行う会― を目指して参ります。一人でも多くの方々がご参加頂けますよう、切にお願い申し上げます。
ディジタル信号処理の教育を考える会
(代表)田口 亮