DSPS教育者会議は、ディジタル信号処理教育の取り組み、教育事例に加え、大学での新技術研究の発表やデモ発表、サードパーティーによる開発ツール、評価ボードの紹介、意見交換の場として毎年1回開催されています。今年は第10回の記念すべき年となりますので、発表者には記念品を贈呈いたします。
今年も昨年同様、デモ発表の中から優秀デモ発表を3件選び、共催のIEEE Circuits and Systems Society Japan Chapter、 IEEE Signal Processing Society Japan Chapter、及び後援の日本テキサス・インスツルメンツ(株)の各賞として表彰いたします。
昨今は電気・電子・情報・通信分野の教育に携わっている高専、大学の学科においては、「ディジタル信号処理」とういう科目がカリキュラムに当然のように導入されています。これは、ディジタル信号処理理論/技術が通信、制御、計測、メディア工学などの基盤をなす理論/技術であることに他なりません。また、ディジタル信号処理理論/技術を基盤とする分野においてもその価値観は多様で、例えば、処理・解析精度を重視する分野があったり、処理の高速性を重視する分野があったりします。価値観が多様であり、かつ、高度化する理論や複合化された技術を理解し、使いこなせる若い人材の育成も重要な課題となっています。このような背景から、本会議は、ディジタル信号処理教育にかかわる方に教育事例を、大学の研究室で行っている研究事例を学生諸君に、それぞれご発表頂き、ディジタル信号処理教育・研究の方向性について組織を超えて広く意見交換を行う場として年1回開催されて参りました。関係者各位の暖かいご支援により、本年で第10回目の節目の年を迎えることとなりました。
第10回の本会議を企画するにあたり、―この10年間の教育者会議を振り返ること― と、―現状の大学を中心としたディジタル信号処理教育に関して、海外との比較の視点から、企業からの視点から、そして、教育を受けて社会に巣立った若手研究者からの視点から、その検証を行うこと― 等を考えおります。後者に関してはパネル討論形式で行うことを考えておりますので、参加者全員で熱い討論が展開できるものと期待しております。
本年も、ディジタル信号理論/技術を基盤にし、DSPやFPGAによって実現した各種システム事例を広く公募し、デモ発表してもらうことを企画しております。昨年からデモ発表をコンテスト化し、優秀なデモ発表を選出し、表彰するようになりましたが、本年も継続いたします。多くの方々に参加して頂き、表彰の栄誉を目指して競いましょう。
招待講演者として2名の方をお迎えする予定で準備を進めております。教育的な立場からはTexas Instruments Worldwide University Program ManagerのCathy Wicks氏にご講演頂きます。テキサス・インスツルメンツのDSPユニバーシティ・プログラムを通じて、日本とアジア・欧米諸国のディジタル信号処理・DSP教育に関する比較が伺えるものと期待しております。研究的な立場からはNHK技術研究所で立体テレビに関する研究のリーダーを務めております岡野文男氏にスーパーハイビジョンと立体テレビへの応用をについてご講演頂く予定です。また、プログラムには、例年と同じく大学を中心とした教育事例発表および学生諸君による研究発表が含まれております。共に広く公募させて頂きますので、奮ってお申し込み頂ければ幸いです。
本年も大学のみならず企業からも多くの方にご参加頂き、ディジタル信号処理教育に関して、多視点的なご議論、意見交換が行えればと考えております。一人でも多くの方々がご参加頂けますよう切にお願い申し上げます。
ディジタル信号処理の教育を考える会
(代表)田口 亮